写メ日記 | これは・・

これは・・

2024/05/17 11:35:49

  • これは・・
これは電話が嫌いだった彼氏のはなし。
(あわい中学生のとき・・)





初めて電話をしたのは付き合う前、
勉強をするためにいたファミレス、午後三時頃。

何も言わずに私がかけた。
私が何を言っても素っ気ない返事ばかり。
会話をアシストしてくれていた友達も、
「イライラする!!」と直ぐに降参してしまった。

何度も「切っていい?」と聞いてくる彼に
私もイライラしてすぐに切ってしまった。

正直ごめんだ と思った。

私は電話が好きだったから、
この先電話をすることがないと考えると
付き合うのはどうしようか、と思う程だった。

「これが小さな価値観の違いだったとしても、
いずれ大きくなっていっちゃうよ。」

と、友達は言った。その通りだと思った。



彼が電話をしたがらないことを私は知っていた。

初めて一緒に帰った時、
私は彼に片想いをしていた。

仲良くなるために何とか電話までこぎ着けたい

そう思った私は彼に電話をかけていいのか聞いた。
彼は、「うーん」と渋った。
彼の家は平屋で仕切りがない様式らしく、
「話しているのが筒抜けだから」
との事だった。

いつか出来ればいい。

そのいつかがこんな思い出になるなんて、
私は思ってもみなかったが。


あの地獄の電話の後、私は燃えていた。

嫌いなら好きにさせればいい。

こうして彼を電話好きにさせよう作戦が始まった。

2回目の電話の誘いはなんと彼からだった。

大晦日の夜、
突然「テレビ見てる??」と聞かれた。
「紅白見てたよ」といつも通りに答えると

「テレビ飽きちゃって、電話でもどうかなって」

その時の私の目は誰よりも開いていたと思う。
実は1回目の電話の後、電話を誘って断られている。
だから彼からの電話の誘いはまさに希少価値。
私は、即「します」と答えた。

かかってきた電話の向こうには、
いつも通りの優しい彼がいた。

年が明ける前に電話は終わったが、
私はふわふわと夢のような気持ちで年を越した。

それから5日後
彼は彼氏になった。

3回目の電話は私がモーニングコールをお願いした。
4回目、5回目は恋人が誘ってくれた。

私は彼に
「私の目標は君を電話好きにさせること」
と伝えると、彼氏は
「私との電話はもう好きだよ」
そう答えた。

私の作戦はあっという間に成功してしまった。

彼との電話は私の心を支えている。
いつもありがとう、だいすきだよ。そう伝えたい。


そして今、私は彼の塾が終わるのを待っている。





6回目の電話をするために。

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